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【レビュー】JEDO3000 - 本格製図用シャーペンの体裁、しかし

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五月も終盤に入り、だんだん暑くなって参りました。

約一か月ぶりの更新です。ご無沙汰しておりました。ロロロルです。

 

最近、黄砂が飛んでいる影響からか、頭が痛かったり、喉が痛かったりと、少し体調が優れません。

僕は高校二年生で、れっきとした学生なのですが、体調が優れないからか、中間テストが近づいているにもかかわらず、勉強に集中できないんですよね……なんて言うのは、僕の苦しい言い訳に過ぎないのですが。

そう言えば、最近「Change the World」という英語の長文問題集を解いていたのですが、それに載っていた信州大学の長文が、黄砂についてのものでした。

それによると、黄砂というのは健康被害等 悪いことばかりもたらすものと言うイメージがありますが、実は良いことももたらすらしく、例えば、黄砂が多く含む、塩基性の物質である炭酸カルシウムによって、工場や車から排出された酸が中和される、といったことがあるらしいのです。

黄砂に対する見方が少し変わりますよね。

鬱陶しい黄砂も、なんとなく愛おしく思えたり……しないか。

 

さて、今回は「JEDO 3000」についてのレビュー記事です。

このシャーペンは、ruka君から安く譲り受けたものです。

 

 

 彼のブログ「水性の紙」、個性的で面白いのでついでに紹介しておきます。

 

blog.livedoor.jp

 

さて、それではJEDO3000について、箱から見てみましょう。

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JEDO3000には、シャーペンでは珍しく箱がついています。

高級感がある、といった感じではないですが、箱がついているとなんとなく嬉しいですよね。

 

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裏面。

ハングル文字で何やら書かれています。

読めない……。

 

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マトリョーシカのように箱の中に箱が入っています。

芯ケースが何故か二つ入っています。

 

さて、本体を見ていきましょう。

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全体のデザインとしては、「ロットリング型」とでも言うようなものになっています。

ロットリング型」の他の例としては、オートのプロメイトや、コクヨのTZ-PSP100x(xには芯径の小数第一位が入る)等が挙げられます。

口金・クリップ・芯硬度表示の文字・芯硬度表示の留め具・ノックキャップは艶銀、グリップ・ロゴ・芯硬度表示窓は消銀、軸はネイビーで、格調高く上品な面持ちです。

 

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軸はネイビーを基調として、よく見ると、とても細かいラメが入っています。

落ち着きがありながらも、さりげない個性を出してくるあたりが素敵です。

カラーバリエーションとしては、黒や深紅のものもあるようです。

ロゴは単純なもので、もうちょっと工夫しても良かったのではないかな……と個人的には思います。

違うロゴの物もあるそうですが、そちらもデザインとしてはイマイチでした。

 

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エッジはそこそこ効いていますが、材質がプラスチックであること、微妙に角が丸められていることから、手が当たって痛い、ということはないです。

 

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芯硬度表示窓がついていますが、これを見てまず初めに思うことは、「文字逆やろ!」ということです。

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普通の硬度表示は、右利きの人が書いている時に文字が逆にならないように表示されます。

しかしこのJEDO3000の場合、右利きの人が筆記している時、文字が逆になって表示されます。

ならば左利きの人用につくられたのではないか、と考えたくなりますが、ロゴは右利き用に書かれているんですよね。

どうして普通の芯硬度表示とは逆に表示されているのか、その真相はわかりません。

 

また、芯硬度表示の文字は直接彫られたものではなく、シールにプリントされたものです。

やはり、劣化等のことを考えると、直接彫られていた方が嬉しくはあります。

 

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クリップの形状は何やら見覚えのあるものとなっていますね。

ぺんてるのグラフペンシル等のクリップとそっくりです。

グラフペンシル等のクリップと比較すると(グラフペンシル等のクリップは年代によって細部が異なるのですが、それを考慮に入れても明らかに異なる点を挙げると)、JEDO3000のクリップの方が、グラフペンシル等のクリップよりも柔らかいです。

また、ロゴ側からクリップを見ると、グラフペンシル等のクリップの方が、エラの張りとでもいうのでしょうか、そういったものが大きく、また、カクッカクッと鋭く曲がっているので、グラフペンシルのクリップの方が直線的な、またJEDO3000のクリップの方が曲線的な印象を受けます。

 

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クリップの平らになっている部分で、ロゴ側の部分には、"EMICRO"の文字が彫られています。

JEDO3000は韓国のメーカーであるこの"EMICRO"によってつくられたシャーペンです。

このメーカーについて、僕は正直あまり知らないのですが、以下のサイトで詳しく説明されていたので紹介しておきます。

 ちなみに、"JEDO"とは韓国語で「製図」を意味する言葉らしいですね。

sharpen-memo.suzuna.org

 

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クリップの平らになっている部分で、ロゴとは反対側の部分には、"CHINA"の文字が彫られています。

ここから、このシャーペンが中国製だとわかりますが、JEDO3000の中には韓国製のものもあり、どのタイミングで製造元が変わったのか、もしくはもともと両国で並行して製造されていたのか、そのことはわかりません。

 

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ノックキャップと軸との遊びは、無いとは言いませんが、書いていてノックキャップが揺れるだとか、そんな風に書いている際に気になるということはありません。

また、ノックの感触としては、軽めではあるのですが、どこかに擦れているような抵抗感があります。

 

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グリップは縦溝と横溝が緩やかに彫られたものとなっています。

縦溝と横溝が交差してブロック状の突起が並ぶような形になっている領域がありますが、その領域は2cmほどの長さであり、そこに20個のブロックが配列されてるような形になっています。

グリップ自体の長さは3cmです。

握った感触としては、ブロックのエッジが立っていないので、滑らかな感触であり、手が痛いということはありません。

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口金は段差が付いており、所謂「製図用」としての機能である視認性を確保するということについて一役買っています。

 

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さて、驚くべきはこのペン先の精度です。

紙面に芯が触れるたび、芯がブレまくりですよね。

これは製図用として、いや、普通のシャーペンとしても、あまりよろしくありません。

 

また、この芯とガイドパイプとの隙間によって、芯と紙面が擦れる(線を書く)際に生じる振動が軽減され、結果的に滑らかな書き心地に感じますが、その長所よりもやはり、芯先がブレるということの方が、書いている時のストレスという点では大きいです。

 

このシャーペンの抱える問題はそれだけではありません。

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ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる

GIF画像から分かる通り、グリップが回転しまくるのです。

しかも結構軽い力で。

これ、何とかならなかったんですか? ねえ。

 

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内部機構を見ていきましょう。

グリップ下は完全に塗装されていません。

これはグラフ1000CS等と同じですね。

 

また、グリップが回らないようにするような工夫は見受けられません(縦に線状に突起があるのですが、これがグリップの回転を止めるために作られたとは思えません――その機能を持たせるには、あまりに突起の出っ張りが無さすぎます)。

 

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軸の先端に注目すると、僅かに段差があることが分かります。

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ここには口金が嵌まります。

口金をより固定するための工夫と思われますが、プラスチックでこの段差の小ささだと、壊れないか不安になりますね。

 

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チャックや口金を固定するためのねじは真鍮製。

芯タンクはプラスチック製です。

ぺんてるのP ~系(P200等)のシャーペンのものと互換性がありました。

 

 

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総評して、デザイン等 ぱっと見はとてもいいシャーペンなのですが、詳しく見てみると、残念な部分が多いシャーペンです。

全てにおいて完璧なシャーペンというのはなかなか無いものですね。