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【レビュー】ロットリング400 - 先端プッシュ機構が特“徴”的なペンシル

一日3記事。この生産性には杉田水脈も大喜びしてくれることでしょう。

年末なので2018年の話題を入れとかなきゃね。

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久々の素直な文房具の記事です。ロットリング400というシャーペンについてです。写真のクオリティがイマイチですが(いつものことだという説もある)、大目に見て頂けるとありがたいです。あ、このシャーペンは廃番です。

素材はアルミでしょうかね。よくわかりません。持った感じはとても軽いです。カチャカチャしていて安っぽくすらあります。

外見で特徴的なのはグリップです。この形を見るとティッキーシリーズが思い浮かびますよね。この辺の由来についてはブングトークさんの記事が詳しいです。この記事によると、シルバーは1500円、グラファイトは2000円で売られていたようです。

bungu-talk.jp

機構の特徴はやはり先端プッシュ機構でしょう。この機構で有名なのは、ぺんてるのテクノマティックやQX、プラチナのハヤーイなどでしょうか。後で詳しく書きます。

 

さて、細かい所を見ていきましょうか。

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クリップにはロットリングの刻印があります。メッキが安っぽいですがこれで1500円なんですよね。先端プッシュ機構がついているから仕方ないか。

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クリップが回転するのを止める突起です。ちなみに僕はこういう造形フェチです(知らんがな)。

クリップが嵌まるところは溝状になっていますが、クリップは比較的容易に取り外すことができます。

この写真からよくわかると思うんですが、ノック部分がいかにもカチャつきそうですよね。実際カチャつきます。

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ロゴマークは1枚目の写真から分かるようにグリップの上にあり、普通のシャーペンでロゴマークがよくある部分には"0.5"とあります。なぜ分けたのかは不明です。散漫なデザインになりそうなのに。

ピカピカの銀色です。彫られているわけでは無く、上からシールみたいにかぶせてあるような感じです。しかし爪でひっかいても取れません(そりゃそうだ)。

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細かく見てみるとグリップの造形は普通のティッキーと少し違うことが分かります。面白いです。

口金のめっきはクリップ同様安っぽい感じ。

ガイドパイプはしまうことができます。先端プッシュ機構や、もっと大きく見てオートマチックではよくあることです。

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ノックすると、カチャッ、という軽い音とともにガイドパイプが顔を出します。口金のラインに合わせたコーン状の形ですが、少し段差があります。筆圧をかけるとこの段差に起因してがたつきが生じます。ちょうどオートのオートシャープのような感じです。このがたつきによって、書いているごとにカチャカチャと音がします。とても安っぽい。また、書き心地も大きく損なわれます。

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ガイドパイプを紙面に押し付けて離すと芯が繰り出されます。これがいわゆる先端プッシュ機構です。①圧をかけるとガイドパイプが引っ込む→②圧を少し緩めるとガイドパイプが顔を出す→③完全に紙面から離すと芯が顔を出す ということが一連の動作として起こります。これは強さの異なる2つのばねが機構に関わっていることに起因するのですが、ロットリング400の場合、この①~③の流れが他の先端プッシュ機構搭載シャーペンよりもはっきりしています。

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ノックキャップの頭は丸くなっており、ノックする時に指に食い込みますが、ノックがオートマチック系のシャーペンにしては珍しく軽いので、そんなに気になりません。

メンディングテープがひと巻きしてありますね。これくらいでちょうどノック周りのがたつきが抑えられると思います。しかしこれをしても口金部分でカチャカチャしていますし、軸を爪で弾くと、ちょうど多機能ペンのような感じで、チャッ、と音がします。

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消しゴムはロットリングという感じ。突針はついていません。

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外側を外すとこのようになっています。プラスチックでちゃちなイメージ。

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ここが先端プッシュ機構のキモです。この構造はハヤーイ2やniji700と同じものと思われます。

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先端を押し付けた時、内部ではこのように動作しています。上の部分が浮いていますが、外側を付けた時には抑えられるものと思われます。

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口金を外したところ。このように口金と外側が内部機構によって連結している構造はティッキー2などと類似します。

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口金を外すと、ガイドパイプの全容があらわになります。写真で分かるように、ガイドパイプ上部のプラ部品には4つの切り込みがあり、その弾性によって機構本体に「嵌め込まれている」形となっています。そして、その切り込みの隙間からバネが見えますが、このばねによって機構が「押し付けられる」形となり、この2つによって固定されている形となっています。このことから分かるように、ここの部分は非常に繊細で、またがたつきの原因にもなっていると思われます。

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ガイドパイプを外すとこのようになっています。

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ガイドパイプ内部を見るとこのようになっています。パイプがありますが、これは非常にもろく、取り扱いには気を付けなければなりません。

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機構本体の話に移ります。通常のノックをした場合、このように動作します。円筒状の部品にボールチャックが内蔵されています。また、外側の4箇所切れ込みが入っている半透明の部品は、先ほどのガイドパイプの4か所の切れ込みに対応します。また、ガイドパイプと口金が嵌まっている時には、その切れ込みが対応していることに遠因して、ノックをしても押さえつけられる形となると思われます。

ざっと見てきましたが、先端プッシュのせいで色々と損をしているシャーペンですね。軽い金属軸のシャーペンというのは貴重な存在なので、普通に先端を固定して売ってほしかったです。そうであったなら、きっと軽快な書き心地の堅牢なシャーペンとして、底堅い人気を得られたことでしょう。